たとえ、涙が頬を濡らしても。
『お前の幼馴染って言ってた。』
「俊稀が!?どうして…」
『あいつ、やっぱり言ってねーのか。』
やっぱりって、どういうこと?
俊稀、冬汰の話なんてなにも…
なんで冬汰に会いに行ったの?
「俊稀何も言ってない…」
『良かった…。』
「何の話?」
『…忘れた』
「な!そんなわけないじゃん!」
『ははっ』
ははっ、じゃないよ!
笑って立ち上がった冬汰は、あたしの頭を優しく撫でた。
…懐かしい。
やっぱり、冬汰に触れられるとドキドキする。
ずっと…ずっと…会いたかった。
逃げてたあたしがバカみたい。
あたしは勢いで冬汰をぎゅっと抱きしめた…