たとえ、涙が頬を濡らしても。
やっぱりダメだ。
胸が苦しくなる。
泣きたくなる…
甘えたくなる…
『澪春…』
「来て良かった…会いたかった…。
そして、謝りたくて…」
『なんで?』
「冬汰の力になりたかった…
いつも遠くを悲しそうな目でみつめるから、あたしに何か出来ないかなって…ずっと思っ」
俺は澪春の言葉を最後まで聞かずにぎゅっと抱きしめた。
ずっと、澪春に触れたくて…
お前が好きで…
でも、それを言ってしまったらこの先澪春は一生苦しむ…
澪春の笑顔を奪いたくない。
悲しむ顔を見たくない。
『また…会いに来いよ。』
「へ?」
『少しでもいいから…俺の傍に居ろよ』
なぁ…俺の生きる理由になれよ。
明日を求める理由になれよ。
なぁ…いいだろ?
ー冬汰 side endー