たとえ、涙が頬を濡らしても。



もっと、もっと知りたい。


冬汰のこと…たくさん。



「じゃぁ、勉強は?できた方?」


『数学、社会、理科は得意かな』


「数理と社会出来るなんて…羨ましい」



バカなあたしからすれば本当に羨ましい限りだ。


数学なんて、まず数字を見ただけでもう解ける気がしないし、正直大人になって複雑な数式なんて使わないし。


ただ、高校卒業をするためだけの知識に必要になるだけだ。



『澪春は?何が得意?』


「あたしは…国語…かな?」


『よりによって国語かよ』



目を細めてクスッと笑う冬汰。


バカにしてー!!


でも、冬汰が笑ってくれた。

それだけで嬉しくて…

もっとその笑顔を見させてよ?


いっぱい笑ってよ?









< 56 / 241 >

この作品をシェア

pagetop