たとえ、涙が頬を濡らしても。
もっと、もっと知りたい。
冬汰のこと…たくさん。
「じゃぁ、勉強は?できた方?」
『数学、社会、理科は得意かな』
「数理と社会出来るなんて…羨ましい」
バカなあたしからすれば本当に羨ましい限りだ。
数学なんて、まず数字を見ただけでもう解ける気がしないし、正直大人になって複雑な数式なんて使わないし。
ただ、高校卒業をするためだけの知識に必要になるだけだ。
『澪春は?何が得意?』
「あたしは…国語…かな?」
『よりによって国語かよ』
目を細めてクスッと笑う冬汰。
バカにしてー!!
でも、冬汰が笑ってくれた。
それだけで嬉しくて…
もっとその笑顔を見させてよ?
いっぱい笑ってよ?