たとえ、涙が頬を濡らしても。
仕方なく、財布から自分の分と俊稀の分を支払った。
まぁ、それで笑ってくれるならいっか。
美味しそうに、抹茶アイスを頬張る姿はまるで子供みたいだ。
小さい時から、抹茶アイスが大好きな俊稀は、よほどじゃない限りほとんど抹茶を好む。
目が眩むのは新作アイスが出た時ぐらいだ。
『やっぱり、抹茶だなー』
「好きだねー」
『でも、やっぱり澪春がいないと記録出ないよなー』
「感謝してよね?」
『心の底からすっげー感謝してるって!』
そう言って、あたしのバニラアイスを一口スプーンで奪う俊稀。
「あぁ!!ったくもう!」
『ははっ、やっぱりバニラも定番で美味いなー!』
はぁ…もう疲れた。