たとえ、涙が頬を濡らしても。
アイスを食べ終わり、家までの道のりを歩いていると俊稀は足を止めた。
『なぁ、あいつに会うのやめろよ…』
「…えっ」
『あいつは…!…っ』
力強く言葉を放つと、俊稀は口を固く瞑った。
「冬汰がどうしたの?」
『…いや。なんでもない。』
冬汰は俊稀に何を話したの?
モヤモヤした気持ちで俊稀の後ろを歩く…
ただひとつわかるのは、あたしには言えない…事ってこと。
「冬汰に会いにいく。」
『は?ちょっ…』
俊稀が言いかけていた言葉を無視して、逃げるように走り出した。