たとえ、涙が頬を濡らしても。
泣き疲れて、冬汰に触れたくて、気づけば冬汰をぎゅっと抱きしめていた。
『なんか…ごめん。』
「…」
『あいつから聞いた?』
「うぅん。教えてくれなかった。」
『そっか…』
ゆっくりとした時間が流れる。
あたしがパッと顔を上げると、空はもう真っ赤な夕焼け空が広がっていて。
ちょっと、いじわるしたくて…
冬汰を抱きしめながら押し倒した。
『ちょっ、危ないだろ!?』
当然、冬汰の上に乗っているわけで…
強くぎゅっと抱きしめたあと、ゆっくり身体を起こして、冬汰を見た…
「…ははっ、ドキってした?」
『バカ…』
冬汰に頬を触られて、お互い目が合うと、一瞬にして冬汰に目を逸らされた。