たとえ、涙が頬を濡らしても。
Tシャツを渡すと、冬汰はゆっくり身体を起こし、着ていたTシャツを脱いだ。
「…痩せたね」
『気のせいだろ』
うぅん。
確かに、痩せてるよ。
これも病気のせい?
「ちゃんと食べてよ?」
『そのうち。』
適当な返事をして着替えたあとまた、ベッドに入った。
私は冬汰を笑顔に出来ないのかな。
泣いてばっかりの私と一緒にいるの嫌?
でも…私は、一緒に居たいの。
「ねぇ、来週の試合が終わったらさ、地元でお祭りあるでしょ?一緒に行かない?」
『…』
「ごめん…忘れて。
じゃぁ、私、帰るね…」
『待てよ。』
「え?」
『いつも、迷惑かけてるし…そのお礼にならいいよ』
お礼に…か。
やっぱり、デートにはならないか。
「ありがとう!」
笑って見せるけど、ちょっとショックだな。
ー楓 side endー