たとえ、涙が頬を濡らしても。
ふと窓を見ると、夕焼け空が広がっていて…
『あいつ…今日も来てたのかな?』
鉛筆握って、ぶつぶつ言いながら絵を描いてんのかな。
今日は会いに行けなかったな…
明日は、会いに行けるかな…?
澪春に会いたい。
笑った顔が見たい。
困った顔が見たい。
怒らせたい。
「また明日ね!」が聞きたい。
澪春に初めてそう言われた日は、明日ってなんだよ…って思った。
でも今は、“明日は”ってどこかで想像してしまう自分がいる。
澪春の明日を、泣かせたくない。
澪春の笑顔を奪いたくない。
『俺…死にたくねぇよ…』
重い体を起こして、窓を開けて真っ赤な夕焼け空に目を細めて、空に手を伸ばす。
そっちに、行きたくない。