たとえ、涙が頬を濡らしても。
5.6限が終了してすぐ、あたしは二人に「また明日!」と告げて、自転車で画用紙等々を買って、珍しく堤防を通って帰る…
風が気持ちいい…
堤防の桜の木はもう、一ヶ月前とは違って緑の葉が見えている。
家は堤防を通って10分ほど。
《♪〜♪♪〜》
音…なんの音だろ?
だんだん近付くにつれて…
《キキーッ》
自転車を止めて下を見ると、ギターを弾いた男の人が居た…
「ギター…」
あたしの声が聞こえたのか、ギターの音が止まった…