たとえ、涙が頬を濡らしても。



お祭り会場は言わんばかりに、カップルがたくさんいて…


わっ…美男美女ばっかじゃん。


まぁ、でも…

屋台がずらりと並んでもう…はっちゃけそう!☆



「ね!俊稀、たこ焼き食べよ!」



返事を聞くより先に、たこ焼きの屋台に俊稀を引っ張った。


たこ焼きを注文するや否や、俊稀をチラッと見ておねだり目線を送ると…



『ったく。今日は俺の奢りだ!』


「やったねー!」



おねだり作戦成功!


たこ焼きを受け取って、買ってくれたお礼に俊稀に食べさせるためにふーふーしてあげると、俊稀は頬を赤らめた。



『ゆ、夢みてー…』


「は?」


『や、だって…す…あぁもう、言えるわけねー!』


「ちょ、大声恥ずかしいから!
早く、口開けなさいよ!」



俊稀が口を開くと、たこ焼きを一つ食べさせる。


すると俊稀は恥ずかしいのか手で顔を覆った。



「恥ずかしがってやんのー!」


『なっ!』


「ははっ、次は何奢ってもらおうかなー!」



チョコバナナもいいなー!


かき氷も食べたいなー!


ベビーカステラにりんご飴…


綿菓子も食べたいしー…



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