たとえ、涙が頬を濡らしても。
キ…ス…?
頭の中で何が起こったか一瞬分からなくて…
「ちょっ、しゅ…んっ、あっ…」
一瞬、離された唇はまた私の唇を塞ぐ。
へ?
「はっ…ん…」
何度も唇を押し付けられて、されるがままになる…
やめて…
恐い…ねぇ…
一瞬の隙で気づけば俊稀の胸を押してしまった…
『ごめん。我慢…出来なくて』
「…っ」
恐くて何も言えなくて、ベンチから立ち上がって、俊稀から逃げるように後ずさりをした後、ただただ走った。