たとえ、涙が頬を濡らしても。





「えっ、冬汰!?」


『なに?お前をお姫様抱っこ出来る力は“まだ”あるよ?』


「あたし重いでしょ…」



ちょっとした気の緩みで、食べてしまうし。


体重はちょっと増えてるし。



『気にすんな。
それより、道…教えて』




はっと、我に返り帰り道の方向を指さす。


それにしても、お姫様抱っこなんて…


恥ずかしくてたまらないんですが!?



『…浴衣、似合ってるよ』


「ほんと!?」


『うん。その髪も』


「良かったー!
ね、来年は一緒に行こうよ?」



冬汰と一緒に屋台巡りしたい。


というか…堤防以外でどこかで会いたいし、遊びに行きたいなーって。


もちろん、冬汰が良ければだけど。



『来年…か。
うん。行けたらね』


「来年、絶対に誘うから!」


『…うん。楽しみにしてる』



1年後、デートになってるかな…


友達と遊びに行くではなくて。





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