たとえ、涙が頬を濡らしても。




澪春の寝顔を見て、胸いっぱい和んだあと、また絵に視線を落とす。


次のページを開くと、そこにはコンテスト用と思われるパーツ画がたくさん絵描かれていた。


これって、俺のギター…

上手すぎだろ…


他にも俺の似顔絵が何パターンも描かれていた。


正面や横顔、笑った顔、少し寂しそうな顔…


俺のこと、よく…見てるんだな。


澪春…



ここでスケッチブックを閉じて、肩にもたれて寝ている澪春を膝の上にゆっくり動かした。


澪春と一緒にいるだけで、時間の流れが惜しくなる。


澪春に触れていたい…

ぎゅっと抱きしめたいし、願わくば、お前の唇を奪ってやりたい。

堤防以外に、二人で出かけたい。


そして一番は、澪春の完成した絵が見たい…


それまで持ってくれよ…

あと少し、待ってくれよ…




ー冬汰 side endー







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