セカンド・ラブをあなたと
「じゃあさ、ちょっとプラス面について考えようよ」
「プラス面?」
「そう。この場合は鈴音ちゃんを好きな俺と、俺が気になる鈴音ちゃんの、それぞれの気持ちが満たされるっていうのがプラス面じゃない?」
彼は自論を展開する。教師と生徒みたい。
でも、あっさり「好き」とか言われても…。

「要は好きだから付き合うっていう当たり前の話。
俺が”気になる”程度の鈴音ちゃんなら、マイナス面考えたらひいちゃうのかもしれないけど、鈴音ちゃんが”大好き”な俺からしたら、この程度のマイナスやリスクであきらめられない」
2度目の「好き」。「大好き」も言った。軽いの?

「俺は、今ここでプロポーズして、明日結婚してもいいくらいに思ってる。
でも、それじゃ鈴音ちゃん困るだろ?」
プロポーズって言った?明日結婚って…!?

「暴走しすぎ…信じられない…」
「だろうね。だから、今はそれくらいの気持ちって伝えてるだけ。
この前話してから、しっかり考えたつもりだけど、実際、俺だって約束はできない」
しっかり考えた?勢いだけってことじゃない?

さっきから先生の言葉のひとつひとつが、頭の中でオウム返しになっている。
ついていけていない。
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