セカンド・ラブをあなたと

「俺には、望くんに近づけないようにしてて、ほかで疑似家族って…」

曇った表情を隠そうともしない。私は必死に言い訳をする。

「私がアウトドアが苦手だから、望にさせてあげたくてもパッと計画できないの。私がするしかないと思ってても、やっぱり苦手なことは苦手だから。そういう話を世間話としてしたら、中崎さんがそれなら自分が無理なくフォローできるからって」
「フォローって、よその子だろ」
「片親だと、ふたり分、親として頑張らなきゃって思うんだけど、何もかもは無理なのよ。それがコンプレックスになるの。協力し合っただけ」

疚しくはないけど、翔さんの腹立ちはわかる。
「翔さんに会うより前からだから、あまり気にしてなかった。
でも、翔さんが今イヤなのはわかる。ごめんなさい」

「その人が、鈴音ちゃんのこと、どう思ってるか考えたことないの？」
「子どものことがあるから話してるだけで、特別な感情なんてない。年もだいぶ上だったよ？」
「それ言う？天然もたいがいにしてくれ。鈴音ちゃん、年上ウェルカムな人じゃん。どんな人か知らないけど、向こうはまるで考えてないなんてない」