セカンド・ラブをあなたと
半月前に来たお墓。
掃除道具も持たずに来たので、手でできる範囲できれいにする。
お花を供えて手を合わせる。

縁石に座って、墓碑を見つめた。

聡くん、失敗しちゃったよ。
聡くんがいてくれたら、少なくともプロポーズされることはなかったのに。
甲斐のない逆恨み。

あなたはどう思って私といたんだろう。
27歳の今でこれ。二十歳の私はもっと子どもだったでしょ。15歳から知ってるから、二十歳でも成長したって思ってくれてたのかな。

ボロボロと涙がこぼれてくる。
ここなら泣くことができる。少しホッとしながら、声を出さないよう、静かに泣いていた。
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