セカンド・ラブをあなたと
ちょっと間をおいて先生が逡巡しながら言った。
「あの、ご主人は望くんが小さい頃に亡くなったって…」

ゆっくり平静を心がけて答える。視線がテーブルの上を泳ぐ。
「うん、進行性のガンでどうにもならなかった。望が1歳になってすぐ…」

先生は慌てて
「ごめん、つらいの、思い出させちゃったね」
と、申し訳なさそうな顔をした。

話題にしちゃいけないことではないのに。もうこれくらい慣れなきゃ。
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