セカンド・ラブをあなたと
「ジェシーのことで別れようって思ったの?」
ジェシカさんのことはダメ押しだ。私はかぶりを振りながら答えた。
「その前から、グズグズになってて…。なんか、しんどくなっちゃった」
「なにがあったの?」

あまり言いたくないんだけどな。

「一昨日から、千絵さんが入院してる」
「え?千絵さんも?」

驚いて目を丸くする翔さん。今日何回目?

「そんな大事なこと、すぐ言ってよ。一昨日って…」
「落ち着いたの、深夜だったし」
「昨日でも、メールの1本くらいくれたらよかったのに」
だから、しんどくなっちゃったんだって…。

「望の病室で倒れたの。病院だからすぐ診てもらえたので大事には至らなかったけど、不整脈があるからしばらく入院するって。検査しながら様子見ましょうって」
「重篤ってことじゃないんだね?」
「今のところは。細かい検査はこれからだけど、お医者さんは念のためって言ってたから、多分、そんなに悪いことはないと思う」

「たいしたことなかったらいいね、って思うけど、それで何で別れるっていうの」

わかってもらえないだろうなと予測しながら説明する。
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