セカンド・ラブをあなたと
「鈴音ちゃん?だいじょうぶか?」

翔さんの腕の中だ。まだ目が回っている。

「貧血…だいじょうぶ。すぐ治まるから」

ジーンとした感じが消えていく。視界も落ち着いていくのがわかる。

「ごめんなさい、びっくりさせたね」
「俺こそごめん。きつい言い方して」
「翔さんのせいじゃないから」

記憶は不意に襲ってくるのだから。

「いや、家族がふたりも入院してるのに、守れないとか、今生の別れなんて言っちゃいけなかった。”病気”も鈴音ちゃんには…ほんと、ごめん」

言わせてしまったのは私。翔さんの言ったことは何も間違ってない。

「ちがうの。前に車の事故を目の前で見たことがあって、不意に思い出しちゃうことがあるの」
ゆっくり呼吸を整える。
「フラッシュバックってやつ?」
「わからないけど…あの頃はテレビも見れなかった。映像がこわくて…」
「あ、じゃあ、俺が事故したら、って話に反応しちゃったんだ?うわぁ、ごめんな」
すっごく申し訳なさそうに謝られて、かえって申し訳なくなる。
「言ってなかったんだから、気にしないで。びっくりさせてごめんね」
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