セカンド・ラブをあなたと
「酒飲ませててよかった」
「なんで?」
「素面だったら、俺に遠慮して話してくれなかったでしょ」
「そうかもしれない。いやじゃなかった?」
「大きい人だよな。正直、かなわないと思うよ。
でも今いっしょにいるのは俺だからね」

こんなに聡くんを思い出してるのに、泣かずにいられるのは初めてかもしれない。
聡くん、これでいいんだよね。

「いっぱい幸せになれって言われてるわ。忘れるのは無理だけど」
私にとっての聡くんの存在の特別さを言うのは憚られた。
「忘れてほしいなんて言ってない。鈴音ちゃんと望くんの一部だろ?切り離せるわけがない。
だから、思い出してもいいし、泣いてもいいから、最終的にちゃんと俺のとこに帰ってきて。
気持ちを彼のとこに置きっぱなしにしないでほしいんだ」

前にも思った。
聡くんが愛した私、聡くんを愛した私をうけいれてくれる人。

「優しすぎる…」
「さっきは意地悪って言われたけどな」
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