君を愛していいのは俺だけ
「なんか幸せそうだね」
「えっ!? そんなことないですよ」
挨拶を交わすなり、滝澤さんが向かいの席から言い当ててきた。
この数年で一番幸せと言っても過言ではない。
これから、この片想いがどうなるのかは分からないけれど、少なくとも彼が私に興味を持ってくれていると知ったからだ。
一度は想い合っていた者同士、改めて向き合える機会を得られたのが、本当に嬉しくて。
「こっちは大変だったよ」
「なにが? 朝からなにかあったの?」
「先週のことだよ」
すっかり陽太くんのことで頭の中がいっぱいになっていたけれど、そういえば彼らの誘いを断ったんだったと思い出した。