君を愛していいのは俺だけ
今の彼は、私が知っていた陽太くんよりも、ずっと魅力的な人だ。
七年の間に人気企業の代表取締役になっていて、仕事に対しては誰よりもパッションを持っているし、目の付け所だってひと味違う。
社内の風通しの良さを保つために、社員への気配りも完璧。
当時も格好よかったけれど、何割も増して素敵な男性になっていた。
穏やかな人柄はそのままに、少しの強引さや意地悪な一面と色気は、思い出すだけでドキドキさせられる。
再会してから日々接してきた彼を、七年前の彼と比べれば比べるほど、私を想ってくれているのが信じられないくらいだ。
プレゼントしてくれたピアスも、一緒に過ごしたクリスマスの二日間も。
思い出話をした時間も、期待させられた甘い言葉も。
きっと、そのすべてが今の彼を知るためのヒントなのだろう。