君を愛していいのは俺だけ

「今までずっと離れて過ごしてきたんだから、もう十分だよ」

 一緒に暮らそう、って囁いた彼の甘い声色に、身体がきゅんと痺れていく。


「俺から離れるなよ?」
「はい」

 これからは毎日彼と一緒にいられる。
 離ればなれだった七年間をもっと埋めて、今を積み重ねて、未来の時間をふたりで作っていけるなんて……。


「陽太くん」
「なに?」
「お願いがあるんだけど、いい?」

 後ろに身体をひねったら、すかさず唇を重ねられた。
 それが彼の返事代わりだと感じて、キスの合間におねだりをしてみる。


「今日も、抱きしめながら眠ってくれる?」

 これからずっと一緒にいられる約束が、夢のようだから。
 明日を迎えても、彼の腕の中にいられたら、現実なんだって実感できそうな気がして――。


「いいけど、寝かせられなかったらごめんね」
「っ!?」

 妖艶に微笑んだ彼のキスに呼吸ごと奪われ、そのままソファに押し倒された。


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