君を愛していいのは俺だけ
【特別番外編】俺が愛したいのは君だけ
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「結婚しよう、仁香」
俺がプロポーズをする前から、彼女の瞳は涙で満ちていた。
それは、エンゲージリングよりも輝いていて。
「――はい。よろしくお願いします」
受け入れてくれた彼女の頬を、次々と転がる粒は喜びの色を纏っていた。
その時、俺は気付いたんだ。
一方的に別れを選んで離れたあの頃、仁香が流していた涙はどれほど悲しいものだったのか。
本当なら俺が涙を拭ってやるべきなのに、泣かせたままでいなくなって……。
永遠に心から誓うよ。
再会してからの日々も
これからの未来も
君に愛を捧ぐ。