君を愛していいのは俺だけ

 ――やっぱり、大好き。

 好きすぎて、今にも泣いてしまいそう。

 こんなに近くにいるのに、ふたりきりでいられるのに……。


 七年の空白が、近付く勇気を挫く。


「酒を飲むような年になったんだなぁ」
「えっ?」
「女子高生からいきなり大人の女になってて不思議な感じがするよ」

 大人の女と言われて、なんだかドキッとした。
 陽太くんが私を女性として見てくれているのかなって、ちょっと期待してしまう。

 
「再会できたのも、なにかの縁だろうな」
「私も、そう思ってます」

 そして、その縁がいつまでも続くものだったらいいと願っている。
 彼は、この再会にどんな意味があると思っているんだろう。


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