イジワル騎士団長の傲慢な求愛
「もう二度と、こんな目に遭わせないと誓う」
「……はい」
「……それから」
ルーファスの腕が、そっと、けれど力強く、セシルの体を抱き寄せる。
彼には何度も抱きしめられてきたけれど、今まで味わったことのなかった感情がその腕から伝わってくる。
それはおそらく――家族に対するものではなく、友人とも違う。もっと唯一無二の、特別なもの。
全身で彼の体温を感じて、セシルの鼓動はどくどくと高鳴っていく。
「セシル……俺は……お前を……」
耳もとでルーファスが、途切れ途切れに独白する。
躊躇うほどに、セシルを抱く腕の力は強くなっていく。
まるで言葉に出せない想いをその体で表現するかのように。
「愛して――」
ルーファスが掠れた声を絞り出そうとした瞬間。
「セシル!!」
よく知る女性の声が響いてきて、セシルはハッと視線を跳ね上げた。
「お姉さま!」
「セシル!」
壊れた扉から部屋に飛び込んできたのはシャンテルだった。
ルーファスに抱きかかえられたボロボロのセシルを見て、はっと息を飲み、その手を取って頬ずりした。
「……はい」
「……それから」
ルーファスの腕が、そっと、けれど力強く、セシルの体を抱き寄せる。
彼には何度も抱きしめられてきたけれど、今まで味わったことのなかった感情がその腕から伝わってくる。
それはおそらく――家族に対するものではなく、友人とも違う。もっと唯一無二の、特別なもの。
全身で彼の体温を感じて、セシルの鼓動はどくどくと高鳴っていく。
「セシル……俺は……お前を……」
耳もとでルーファスが、途切れ途切れに独白する。
躊躇うほどに、セシルを抱く腕の力は強くなっていく。
まるで言葉に出せない想いをその体で表現するかのように。
「愛して――」
ルーファスが掠れた声を絞り出そうとした瞬間。
「セシル!!」
よく知る女性の声が響いてきて、セシルはハッと視線を跳ね上げた。
「お姉さま!」
「セシル!」
壊れた扉から部屋に飛び込んできたのはシャンテルだった。
ルーファスに抱きかかえられたボロボロのセシルを見て、はっと息を飲み、その手を取って頬ずりした。