守りたいもの
お父さんから許可を貰った私は早かった。
大学に退学届けを出し、荷物を整理。
だって、静流からの連絡がまだ続いていたから。
早くスマホを解約しなきゃ。
私達の同級生で静流の親友の鷹斗君やその彼女で私の親友の凛子からも連絡がきてる。
鷹斗君や凛子に知られたら、静流に伝わるに決まってる。
「じゃあ、姉ちゃん行くね。
柊矢、ごめんね。」
「あぁ、わかってるって。
凛子ちゃんが来ても、言うなってことだろ?
冬休みにでも、俺も遊びに行くから。」
「うん、ありがとう。」
9月の頭、私はお母さんの住む田舎の街へと引越した。
解約したスマホには、静流とのたくさんの思い出が残ってる。
そのスマホをお守りにして、私は新しい生活を始めた。
お母さんも祖父母も、私がきたことをとっても喜んでくれた。