守りたいもの
「姉ちゃん!」
「柊矢!」
元気に大きく手を振る柊矢。
でも私は気づいてしまった。
柊矢の後ろに佇む人。
私を見て驚いている…お父さん。
「姉ちゃん、ごめん。
もう黙ってられなくて。
姉ちゃんに会いたいって煩くて、俺が姉ちゃんのとこに遊びに行くって知ったら、休みとっちゃって。
絶対に怒るなって言っといたから、大丈夫だと思うんだけど…」
柊矢が私に誤ってる。
でも柊矢の話が全部終わらないうちに、私はお父さんに抱きしめられた。
「亜矢…心配した。
母さんからは、元気だって教えてもらってたけど…どうして、言わなかった?」
「ごめんなさい。
私…どうしても産みたくて。
ごめっ、ごめんね。」
「いいんだ…亜矢と赤ちゃんが元気なら。
さぁ、外は寒いから早く母さんのとこに行こう。」
そう言って、タクシーに乗り込んだお父さん。
お父さん…喫茶店は歩いて三分です。