守りたいもの


めちゃくちゃ近い距離をタクシーに乗って帰ってきた私達。

タクシーの運ちゃんは、喫茶店の常連さんでずっと笑ってた。

そしてお母さんや祖父母も。


家族6人が集まったリビングでは、赤ちゃんのことでもちきりだった。

予定日は三月末。

ただお父さんは、静流のことにはふれない。


喫茶店に繋がってる祖父母の家は、大きくて広い日本家屋。

喫茶店は可愛らしい洋風なのにね。

私の部屋は、その家の奥の部屋。

奥と言っても、日当たりは良好だし小さな公園に面してる。

その私の部屋を見てお父さんは、ベビーベッドを作って送ると張り切ってた。


お父さんとお母さんは、本当に離婚したのか信じられないほどに仲良くて、祖父母とお父さんも本当の親子みたいだった。


いつか、離婚の本当の理由を聞いてみたいな。


なんて、思った。



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