守りたいもの
お父さんはその後、会社の忘年会のために3日後の朝に帰って行った。
柊矢といえば…帰りたくないと駄々を捏ね、お父さんを説得し引っ越すことに決めたらしい。
いいのか、柊矢…と思ったが、どうやら柊矢は彼女に振られたらしく傷心なんだって。
その彼女が選んだ人は、まさかまさかの親友の友貴君だったもんだから、ちょっと不登校気味になってたらしい。
サッカー部のレギュラーも彼女も友貴君にとられた柊矢は、逃げ場所がなかった。
家には誰もいない、学校も辛い…
「人生は逃げることも必要だぞ。」
お祖父ちゃんの言葉に、柊矢は珍しく泣いた。
手続きはお父さんに任せ、柊矢も一緒に暮らすことになったのだが、なんせ柊矢は背は高い顔よし頭よしのモテ男。
少々ヘタレなところは残念だが、この温泉街のアイドルと化すのはまた後の話。