守りたいもの
「私ね、鷹斗の実家に遊びに行ったの。
鷹斗の実家は大病院の院長だし、豪邸ですごく場違いだって感じた。
しかも、鷹斗の家族から可愛がられてる幼馴染の女の子もいてね、その子に言われたの。
鷹斗と釣り合わないから別れてって。
鷹斗とその子、すごく仲良くてさ。
ご両親も二人を認めてる感じだった。
私は…蚊帳の外。」
「で、でも凛子のお父さんの実家って…」
「うん、お父さんの実家は名古屋の総合病院だよ。
でもさ、東京と名古屋は違う的な感じがあって。
まぁ、言ってないけどね。」
「それで、別れたの?」
「うん…鷹斗の実家を訪れてから、鷹斗はよく実家に呼び出されることが多くなって。
幼馴染の女の子の誕生日だ、その子が風邪ひいただのってね。
デート中でもよ?
それで言っちゃった。
私とその子、どっちが大切なの?って。」