守りたいもの
無事に高校を卒業した私達は、それぞれの大学に進学。
その辺りからかな、静流が忙しくなったのは。
静流の実家の会社、海堂コーポレーション。
跡継ぎは、静流の五つ上のお兄さんの光流さん。
その光流さんの手伝いをするようになったから。
会いたくても会えない時もあった。
でも私は我慢した。
だって、会えた時の静流はとっても優しくて、沢山愛してくれたから。
そんな日々から三ヶ月程経った六月の末。
私の元にある男性が来た。
その人は、静流のお父様の秘書。
「静流様と、別れていただけませんか?」
衝撃な一言から始まった、静流の現状と将来。
私は、静流の将来を壊すことなどできなかった。