再会の街
「また、何処かで会うことはあるのかなぁ?俺は君の自宅の電話番号を知っているわけだけど」
「だからって、かけて来ないで下さいね。今日、こういう風に会うことになったのは、すべて偶然のことだって、思ってますから。次に何処かで会うとしても、それはまた別の偶然でしょうから」
「そうだね。わかったよ。でも、俺はこうして会えて、よかったと思っているよ」
「私も会えてよかったです」
もう、あの頃とは違う。
この人の言うことに、もう心が揺らいだりはしない。
こちらから右手を差し出した。
ギュッと一瞬だけ握りあって、手が放れた。
「それじゃ、またいつか」
テーブルにレモンティーの代金に少しプラスしたお金を置いて、席を後にした。
今度はいつ何処で会うのかはわからない。
この先、ずっと会うことはないかもしれない。
それでも、今日という日のことは忘れないだろう。
外に出ると、月が出ていた。
丸に近い月。
そういえば、明日は満月だったっけ。
不意にそんなことを思い出した。
このまま、彼の家に押しかけてしまおうか。
そして、あの人のことも、ちゃんと話してみよう。
「だからって、かけて来ないで下さいね。今日、こういう風に会うことになったのは、すべて偶然のことだって、思ってますから。次に何処かで会うとしても、それはまた別の偶然でしょうから」
「そうだね。わかったよ。でも、俺はこうして会えて、よかったと思っているよ」
「私も会えてよかったです」
もう、あの頃とは違う。
この人の言うことに、もう心が揺らいだりはしない。
こちらから右手を差し出した。
ギュッと一瞬だけ握りあって、手が放れた。
「それじゃ、またいつか」
テーブルにレモンティーの代金に少しプラスしたお金を置いて、席を後にした。
今度はいつ何処で会うのかはわからない。
この先、ずっと会うことはないかもしれない。
それでも、今日という日のことは忘れないだろう。
外に出ると、月が出ていた。
丸に近い月。
そういえば、明日は満月だったっけ。
不意にそんなことを思い出した。
このまま、彼の家に押しかけてしまおうか。
そして、あの人のことも、ちゃんと話してみよう。