Love more gentle than a kiss
前日譚 高慢ちきな美少女
前世の記憶を思い出す
朝はギリギリまでベッドに篭り、朝食は摂らない。
髪をブラシで溶かし、頭頂部で団子状に纏めただけのゆるい身だしなみ。当然化粧っ気などまるでない顔だ。
規則というお堅いものは嫌いで、だけど制服だけはやたら真面目に着こなし、良くも悪くもない成績は、云わば中の上。
学校まで歩いて5分程かかる家に住み、兄と妹を一人ずつ持っている。真ん中っ子は非常に苦労する。
生まれ持った黒髪を明るく染め上げていて、部活に勤しむその肌は程良く焼けた小麦色。
不良ぶる訳でもなく、偽善者を騙る訳でもない、決して多くはない数人の友達に囲まれて日々を過ごす、そんな普通の人間。
ある日、不運にも学校の階段から滑り落ち、打ちどころが悪くて死んでしまった。
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