初恋マニュアル
「……そう、わかった。でももし、友達以上になりたいとおもったら、ちゃんと相談してね?」
「うん、ありがとう」
「とりあえず、男友達が出来たってだけでも、私はうれしいよ」
愛里は、かたくなに恋だと認めない私を、これ以上言ってもむだだと思ったのか、最後はおれてくれたようだった。
ずっと男子と話せなかった私を見てきた愛里は、真剣に心配してくれていたし、三浦くんのことも本当に喜んでくれてるんだと思う。
でも……なぜかわからないけど、モヤモヤした気持ちが広がっていくのを感じた。
どこかにトゲがささってるみたいな、そんな感覚だ。
最初に見せたわずかにくもった愛里の表情が、頭に残って離れない。
ずっとたよりにしてた大好きな親友なのに、信じきれない自分がいやだった。
あの違和感はなんなんだろう?久しぶりに愛里に会えてすごくうれしかったはずなのに……
三浦くんのことを応援されても素直によろこべない自分がいる。
そっとしといてほしいって思うのは、私のわがままなのかな?