初恋マニュアル
もう一人の子も、それをあと押しするようにそう言ってくる。
本当はうれしいはずなのに、なぜか私は素直に受け取れなかった。
もしかしたら、もうみんな好きな浴衣を決めていて、私にはこれって思ってたんじゃないか?とか、疑う気持ちがふくれあがる。
「私も、美羽にはこれが一番似合うと思うけど……美羽は?ほかに気になるのとかあるの?」
愛里にまでそう言われてどうしようかと迷った。
自分も気にいってるくせに、みんなの思いどおりになるのがくやしくて、つい本音と違うことを言ってしまう。
「わ、私はこの緑のがいいなっ!」
一瞬、場の空気がこおったような気がした。
――バカ!なに言ってんの?私!
たぶん、そんなに時間はたってなかったのかもしれない。
だけど、次にだれかが口を開くまで、すごく長いちんもくのように感じた。
「あ……そう?じゃあ、美羽は緑のでいい?」
愛里にそう念を押されてものすごく後悔した。
本当はピンクが着たかったなんて、いまさら言えない。
本当はうれしいはずなのに、なぜか私は素直に受け取れなかった。
もしかしたら、もうみんな好きな浴衣を決めていて、私にはこれって思ってたんじゃないか?とか、疑う気持ちがふくれあがる。
「私も、美羽にはこれが一番似合うと思うけど……美羽は?ほかに気になるのとかあるの?」
愛里にまでそう言われてどうしようかと迷った。
自分も気にいってるくせに、みんなの思いどおりになるのがくやしくて、つい本音と違うことを言ってしまう。
「わ、私はこの緑のがいいなっ!」
一瞬、場の空気がこおったような気がした。
――バカ!なに言ってんの?私!
たぶん、そんなに時間はたってなかったのかもしれない。
だけど、次にだれかが口を開くまで、すごく長いちんもくのように感じた。
「あ……そう?じゃあ、美羽は緑のでいい?」
愛里にそう念を押されてものすごく後悔した。
本当はピンクが着たかったなんて、いまさら言えない。