初恋マニュアル
愛里が友達になっただけあって、すごくいい子たちなんだって、私はようやく認めることができた。


ピンクのを交換してくれたのは、ほっぺがぽっちゃりしてて笑顔の可愛い由宇ちゃん。


色が白いとうらやましげに言ってくれてたのは、背が高くて大人っぽい顔立ちの夏帆ちゃん。


二人は普通に自己紹介してくれて、よろしくね?なんて私に言ってくれる。


私もあわてて自己紹介しようとすると、夏帆ちゃんに笑われてしまった。



「知ってる、美羽ちゃんでしょ?愛里がいっつも話してるから」



「そうそう、美羽、美羽って、お母さんみたいだよね?」



由宇ちゃんまでがそう言いながら、クスクス笑う始末。


なんだか、私の知らない愛里が見えた気がして、少しだけくすぐったい気持ちになった。



「私たちも、美羽ちゃんって呼んでいい?」



夏帆ちゃんにそう言われて、私は照れながら小さくうなずいた。



「じゃあ、美羽ちゃん。美羽ちゃんも、愛里に浴衣、選んであげなよ?」



由宇ちゃんも負けずにそう名前で呼んでくれる。


――もしかして、私とも友達になってくれるのかな?


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