初恋マニュアル
「でも由宇ちゃんがやってくれた髪も可愛いよね」
愛里が私の髪にそっと手を伸ばしながらそう言ってくれた。
愛里ママが浴衣を着せてくれたあと、ヘアアレンジが得意だという由宇ちゃんが、私の髪を編み込んでくれたのだ。
愛里の髪も、自分の髪も、器用にパパッと編んだり結ったり、すごいなぁって感心して見てた。
夏帆ちゃんは一人だけ髪が短かったけど、それさえもピンで可愛く仕上げちゃってる。
「それに今日はメイクもしてもらったから、美羽ちゃん大人っぽいよ?」
さっきまでの私のコンプレックスを見抜いたかのように、夏帆ちゃんがそう言ってくれる。
愛里に少しだけしてもらったメイクは、ちょっぴり照れくさかった。
――でもそうなのかな?少しは大人っぽく見えてる?
「うん、クラスのやつらが見たら、びっくりするんじゃない?」
愛里にそう言われて思い出した。
――そうだ!三浦くんも来るって言ってたんだっけ!
「あ……」