初恋マニュアル
そこでようやく、愛里と比べて私がおとってるってことを言ってるわけじゃないんだと気づいた。


由宇ちゃんも私に目線を合わせてニコッと笑ってくれてる。その顔がなんだか良かったね?って言ってくれてるような気がした。


相変わらず私はひがみっぽくて、いじけぐせが抜けてないんだと、自分にあきれてしまう。


人をどうこう非難する前に、自分自身がそう思ってるってことが問題なのだ。



「よかったらさ、四人で回らない?」



急にかけられた誘いの文句は、五十嵐くんのものだ。


チラリと由宇ちゃんを見ると、またはずかしそうにうつむいてる。


きっといやなのかもしれない。


そう思った。


意識するあまり、なにを話したらいいかわからないって気持ちはすごくよくわかる。



「あ……えっと……他にも一緒に来てて……」



だからおもいきってそう伝えた。


さっきの五十嵐くんだけのときよりは、三浦くんがいてくれるから話しやすい。


さっきかばってくれた由宇ちゃんを、今度は私が助けてあげたかった。
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