初恋マニュアル
「そうなの?どこにいんの?」
五十嵐くんにそう聞かれて、さっき二人がいたスーパーボールすくいの出店の方を振り返った。
――あれ?さっきまでいたのに、またいなくなってる!
キョロキョロと視線をさまよわせていると、由宇ちゃんもそれに気づいたのか、不安そうにあたりを見回した。
「いないの?須藤も一緒?」
三浦くんがそう言いながら、一緒に探してくれる。
でもやっぱり見当たらなくて、由宇ちゃんと困ったように顔を見合わせた。
「じゃあさ、見つかるまで一緒に回りながら探そうよ。また二人でいて変なのにからまれたら大変だし」
三浦くんにそう言われて、五十嵐くんがすかさず反論した。
「おい、変なのって俺のことかよ?」
すると三浦くんがおどけたように笑う。
「ちがうの?」
とたんに五十嵐くんが顔を真っ赤にして言い返す。