初恋マニュアル
いつもの笑顔でそう言われて、私はなんだかすごくホッとした。
三浦くんが立ち上がり、私を見下ろす。
行こっか?と手を差し出されて一瞬なんのことだかわからなかった。
それが手をつなぐって意味だとわかって顔が熱くなる。
真っ赤になってるだろう顔を見られたくなくてとっさにうつむくと、ふいにとられる自分の手。
「足、まだ痛いだろうし、迷子になっても困るから」
はずかしがる私を納得させるようにそう言って、三浦くんはグイッと手を引っ張った。
大きくて力強い手が私の手を包み込む。
三度目だ、と思う。
三浦くんに手をつながれるのは……
一度目は体育祭で、二度目はカフェに連れていかれたとき。
二回とも突然のことであまり意識してなかったけれど、シャーペンを回してるのを見ていたときに感じていた長くて細いイメージがうそみたいに、ちゃんと男の子の手をしていた。
なんのとまどいもなく私と手をつなぐ三浦くんは、きっとなんてことないんだろう。
意識してるのは自分だけなんだと気づいて、はずかしがってる自分がはずかしくなった。
三浦くんは手をつないだまま、私の歩調に合わせて歩いてくれている。
三浦くんが立ち上がり、私を見下ろす。
行こっか?と手を差し出されて一瞬なんのことだかわからなかった。
それが手をつなぐって意味だとわかって顔が熱くなる。
真っ赤になってるだろう顔を見られたくなくてとっさにうつむくと、ふいにとられる自分の手。
「足、まだ痛いだろうし、迷子になっても困るから」
はずかしがる私を納得させるようにそう言って、三浦くんはグイッと手を引っ張った。
大きくて力強い手が私の手を包み込む。
三度目だ、と思う。
三浦くんに手をつながれるのは……
一度目は体育祭で、二度目はカフェに連れていかれたとき。
二回とも突然のことであまり意識してなかったけれど、シャーペンを回してるのを見ていたときに感じていた長くて細いイメージがうそみたいに、ちゃんと男の子の手をしていた。
なんのとまどいもなく私と手をつなぐ三浦くんは、きっとなんてことないんだろう。
意識してるのは自分だけなんだと気づいて、はずかしがってる自分がはずかしくなった。
三浦くんは手をつないだまま、私の歩調に合わせて歩いてくれている。