初恋マニュアル
なれてるっていうかなんていうか……わかってる、こんなのきっとだれにでも言ってるんだ。



――ドキドキしちゃだめ!私!



あんなにいやだった色が白いってセリフでさえ、三浦くんに言われると素直にほめ言葉として受け止められてる自分がいた。


手をつながれたまま、そんなセリフをささやかれたらかんちがいしそうになる。


さっきの怖かったドキドキが、今も引きずってるだけかもしれないのに……


つながれた手が熱い。


今、愛里に聞かれたら、ごまかせないかもしれない。


わからないなんてうそだ。


私は、三浦くんを好きになっちゃってる。


ほかの男子ならこんなにドキドキしない。


だって、さっきの二人組に触られても恐怖しか感じなかった。


それなのに今は、ドキドキしながらも、ずっとこうしていたいなんて思ってる。



――三浦くんはどう思ってるんだろう?



だれにでもやさしい彼だけど、自分にだけ特別なんだって思いたかった。



――この思いを伝えたら、受け入れてくれる?それとも迷惑?


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