初恋マニュアル
だってやっぱり高校生にもなると、みんなの関心は恋愛に向いていて、だれがだれを好きとか、だれとだれが付き合ったとか、そういうことに興味津々ですぐにひやかしの種になったりする。


あの夏祭りの日だってそうだ。


花火を見たあと、私たちはなんとか愛里たちと合流できた。


三浦くんが一緒に来ていた男子たちも混じってけっこうな人数で帰り道を歩いていたと思う。


そのときにはもう三浦くんの手は私からはなれていて、それに変にかんちがいされるのもいやだったから、なるべく三浦くんから遠ざかって歩いた。


由宇ちゃんは私とは対照的に五十嵐くんにしっかり手をつながれたまま、付き合うことにしたっててれくさそうに報告してくれたっけ。


それを聞いてみんなにキャーキャー騒がれて男子にもひやかされてたけど、私はそんな由宇ちゃんがちょっぴりうらやましかった。


男子が6人と、女子が4人。


由宇ちゃんと五十嵐くんは別として、私たちはわりとまとまって歩いてた。


私は特に一番はじっこの愛里の隣をゲットして、愛里と夏帆ちゃんの向こうに男子がいる形。


その中でも三浦くんは少しみんなのうしろを歩いていて、やっぱり引率の先生みたいだと、なんだか可笑しくな った。
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