初恋マニュアル
「もしかして、羽生ってば美羽のこと気になってんの?」
「えっ!?」
「あー!そっか、だからかぁ。たしかに美羽ちゃん、可愛いからねぇ?無理ないよ、羽生」
あわてる羽生くんを面白がるように夏帆ちゃんも愛里と一緒にからかいながら、納得したようにうなずいてる。
――なんかいやだ。
私のことなんかおかまいなしに、話はどんどん進んでいく。
三浦くんのことを言われるのだっていやだったのに、あんまり知らない男子とひやかされるなんてもっといやだった。
そんな風に照れたように笑わないでほしい。
それじゃまるで、私のことをほんとに気に入ってるみたいじゃない。
そんなところを三浦くんに見られるのもいやだった。
出来れば、学校と同じようにほっといてくれればいいのに……
そんな私の願いもむなしく、会話はエスカレートしていった。
「や、丸山さんて、こんな可愛かったかなぁって思ってさ」
「でしょ?今日の美羽はひと味ちがうの」
羽生くんの言葉に、なぜか愛里が自慢気に答えてる。