初恋マニュアル
「ううん、なんでもない」
「……そ」
めずらしく三浦くんはふてくされたようにそっぽを向いた。
私は笑いをこらえるのが大変だったけど、さっきから気になってたことを聞いてみることにした。
「あの……さ、もしかして……保健室まで運んでくれたの、三浦くん?」
三浦くんはそっぽを向いていた顔をこちらに向けて、フッといつもの笑みを浮かべながら、私を見る。
「うん、たまたま目の前で丸山が倒れたからね?」
「えっ!もしかして私たちのうしろにいたの?」
「うん、偶然」
そっか、それで私を運んでくれたんだ。
――え?あれ?運んでくれたってことは、もしかして……三浦くんにお姫様抱っことかされちゃったのぉぉぉぉ!
やだ、絶対重たかったよね?
だって、なんにもしないで家でゴロゴロしてた代償は、お腹にぷよっとついちゃってる。
あぁぁぁぁーー!!!恥ずかし過ぎる。穴があったら入りたい……