初恋マニュアル



「や、ほんとごめんてば……羽生につい、同情しちゃったんだよねぇ。言うつもりなんかなかったんだけど」



「同情って?なんで?」



「実はね?美羽、始業式の日に、たおれたでしょ?」



「あ……うん」



「それでたまたまうしろにいた三浦くんが、美羽を抱き上げて保健室まで運んだじゃない?」



改めて言われると、ものすごくはずかしくなる。


だってよく考えたら、校庭にいたほかの生徒たちにも見られてたってことだよね?



「う……うん」



「それを羽生が見てたみたいで、いつまでも保健室から帰ってこない三浦くんが、美羽となんかあるんじゃないかってすっごい心配してて、ごまかすの大変だったんだからね?」



私が怒ってたはずなのに、いつの間にか愛里に責められてる。


これじゃなんだか私が悪いみたいだ。



「ごまかすって、なにを?」



「そりゃあほら、美羽が三浦くんをす……あ、いや……気に入ってるってこと」



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