初恋マニュアル



「愛里も羽生くんとLINEしたりするの?」



「ん?あぁ……そうだね、夏祭りに来てた男子はみんな合宿のときからしてるかも」



「そう……なんだ」



聞かなきゃ良かったかも。


それって愛里も夏帆ちゃんも由宇ちゃんも、三浦くんともLINEしてるってことだよね?


私だけ特別だって思ってたなんてバカみたいだ。


しかもみんなと聞いて、自分だけ取り残された気持ちになる。


きっとテニス部とか陸上部のみんなでグループLINEとかもしてたりするんだろう。


今まで愛里しかいなかった友達が少しだけ増えたせいか、ちょっぴりうらやましくなる。



「それでね?羽生もいいやつだし、三浦くんだけじゃなくていろんな男子と話すチャンスかなって思ったのよ」



私の落ち込みなんか気づきもせずに、愛里はどんどん話を進めてる。


いろんな男子と話すチャンス?三浦くんだけにこだわるなってこと?


それは三浦くんにも言われたことで、そのときはそうなのかなって素直に思えたのに、愛里に言われるとなぜか反発する気持ちが芽生えた。



「さっきも羽生からLINEがあったんだけど、美羽から返信がないって落ち込んでたよ?」



――は?なにそれ



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