初恋マニュアル
「また一人友達が増えたと思ってさ?羽生にも、私から暴走しないように伝えとくから、ね?」
――暴走って……それじゃまるでイノシシとかそういう動物みたい。
「わかった、じゃあ後で……返信してみる」
「うん、そうしてあげて?羽生が美羽のこと気に入ってるのはほんとだから」
その言葉を聞いて、夏祭りの出来事を思い出した。
あのとき、愛里は五十嵐くんに由宇ちゃんとのことたのまれたって言ってた。
もしかしたら、羽生くんにも同じようにたのまれてたりするかもしれない。
自意識過剰かもだけど、さっきの私を気に入ってるって何度も言うとこなんかあやしい。
「あ……のさ」
「ん?」
「羽生くんになんかたのまれたりとか……してないよね?」
「えっ!あ……あぁ……うん、してないよ?」
「ほんとに?」
「ほんとほんと!」
なんかやっぱりあやしい。