初恋マニュアル
--あ、もしかして心配してくれたのかな?
その原因が羽生くんのメールだなんて言えるはずもないけど。
「うん、実はちょっと」
「やっぱり?」
おおげさにため息をつきながら、右手で顔をおおう羽生くん。
「心配してくれたの?」
「え?あ、うん、まあ」
「そっか、ありがと」
そうお礼を言ったけど、やっぱりなんだかいつもの羽生くんとはちがうような気がして私は首をかしげた。
いつもならもっとガンガン話しかけてくる感じなのに、ちょっとよそよそしいようなそんな感じ。
仕方なくじっとなにか話してくれるのを待っていると、羽生くんは覚悟を決めたように短くフッと息を吐きだしてから私の目を真っすぐに見た。
「もし……さ、なんか困ってるんなら、相談に乗るよ?」
「え……」