初恋マニュアル
「だからさ、LINEでも電話でもいいから、いつでも連絡して?」
愛里への反発もあって、あれから一度もLINEを返していなかったことに、いまさら気づいた。
もしかしてそれが言いたくて、わざわざ呼び出したのかな?
だとしたら、少しだけ申し訳ない気持ちになる。
LINEの返信がない相手にもう一度そんな風に言うって、きっとものすごく勇気のいることだ。
愛里に意地を張って、羽生くんに返信するのをやめたことなんか、とてもじゃないけど言えない。
心配してくれてるのがわかるからなおさらだ。
だけど、不思議と羽生くんの言葉を素直に受け入れてる自分がいる。
いつもなら返事が出来るかもあやしいのに、今はすらすらと言葉が出てきた。
「うん、わかった。心配してくれてありがとね、羽生くん」
おまけにニコッと笑顔を見せたりなんかして。
なんか、普通じゃない?私。
ちゃんと男の子としゃべれてるじゃん!